こんにちは。日々の暮らしをもっとラクに心地よくしたいと思う気持ちは、どなたにもあるのではないでしょうか。かく言う私も、仕事とプライベートの両立を考えるなかで、「家の中がすっきりしていると、忙しいときでも気持ちが落ち着くなあ」と強く感じるようになりました。そこで今回は、収納の基本だけれども、実はとっても奥が深い「七割のゆとり収納」についてお話ししてみたいと思います。
「七割のゆとり収納」とは、その名のとおり収納スペース全体の約70%ほどの量に抑えることを目指す考え方です。つまり、一つひとつの収納場所に、あえて空白を残しておくイメージですね。これを実践すると、「あれ、どこにしまったっけ?」と探す時間が減ったり、取り出した後の片付けがスッと終わったりしやすくなるというメリットがあります。ただ、いざやってみようとすると、意外と難しくて挫折しがちですよね。今回は、その難しさを乗り越えるコツや、具体的な始め方も交えながら、じっくりとお話ししていきます。気になる方はぜひ最後までお付き合いください。
「七割のゆとり収納」ってどんなもの?その目安は?
まずは「七割のゆとり収納」をかみ砕いてイメージしてみましょう。これは簡単に言うと、クローゼットや引き出しの中など、家に備わっている収納スペースのうち、ざっくり七割程度までを上限とし、それ以上は詰め込まないようにする方法です。では、どうして七割という数字に意味があるのかというと、そこから先はモノ同士が重なりはじめたり、奥に隠れて使いにくくなったりする境目だからです。
本当に七割に抑える必要があるかというと、実はあくまでも目安で、「ゆったり取り出せる余地があるかどうか」がポイントになります。片手で気軽につまみ出せるか、目的の物がすぐ見つかるかといった実用面を考えながら、「少し余っているな」と思えるスペースを確保できれば、それがあなたにとっての最適なラインになるでしょう。
「七割のゆとり収納」を続けるうえでの大切なポイント
いざ「よし、明日から収納を整えてみよう!」と決意して、クローゼットなりキッチンなりを片付けることは、ひとまずできるかもしれません。しかし、数週間あるいは数か月たつと「気づいたらまたギュウギュウに詰め込みがちになってしまった…」という経験はありませんか?私もこれには何度も悩まされました。こうしたリバウンドを防ぎ、七割の余白をキープするには、次の3つのポイントを押さえることがとても大切です。
1. 家に余計なモノを増やさない仕組みづくり
七割に収めたいとき、一番の敵は「いつの間にかモノが増えている」という現象です。たとえば、何気なく受け取ってしまうチラシやDM、つい無意識にポチッと注文してしまうネットショップのセール品など、気づかぬうちに家の中に溜まってしまうモノは本当に多いですよね。そこで大事になるのが、入口(家に入ってくるモノ)と出口(家から出ていくモノ)をコントロールすることです。
- 入口をコントロールする
たとえば、「不要なチラシや広告を受け取らないようにポストに貼り紙をする」「洋服は一定数を決めて増やしすぎないようにする」「まとめ買いしすぎない」など、家に入りそうなモノをそもそも減らす仕掛けを作っておくのです。これに慣れると、自然と外から運び込まれる物量も落ち着いてきます。 - 出口を広げる
逆に「使わないモノを気軽に手放すルート」を見つけておくことも重要です。たとえば、大きめの紙袋を常に部屋の隅に用意しておいて、見つけた不要品をすぐに入れるようにするとか、不用品を買い取ってくれるサービスや、トランクルーム、宅配の預かりサービスなどを活用するのも手ですね。「売るか」「捨てるか」「譲るか」「一時的に外へ出すか」など、いくつか選択肢を持っていると、本当に必要なモノだけが手元に残りやすくなります。
こうした入口・出口の仕組みづくりができていると、「いつの間にかパンパン!」なんて悲劇は起こりにくくなるはずです。
2. ちょっとした空間がある状態に慣れるコツ
引き出しを開けたとき、ある程度のスペースが残っていると、「あ、ここに何かしまえるかも…」とつい思いがちではないでしょうか。しかし、そこにあれこれ置いてしまうと、たちまち七割収納が崩れてしまいます。実は人間、余白を見ると「何かもったいない」という心理が働いてしまうんですよね。
そこで大切なのが、「空間があるほうが使いやすいんだ」と体感的に理解することです。片手でスッと取り出せるレベル、つまり見た目も動線もスカッとした状態があなたにとっての適量だと考えてみてください。もし「どのくらいが適量か、まだピンとこない…」という場合は、引き出しや棚の側面にマスキングテープなどで線を引き、「ここまでしか入れない」と決めてみるのも効果的です。ちょっと遊び心も加わって、目安が分かりやすくなりますよね。
慣れてくると、スペースを詰め込まずに残しておくことが自然体になってきます。それはまるで、頭の中に少し余裕が生まれるような感覚で、ストレスフリーな毎日につながるはずですよ。
3. 収納場所の20%は小物を置いて楽しむ演出スペースに
七割収納を長くキープするうえで、さらにおすすめなのが「部屋全体の収納スペースのうち20%程度は、インテリア雑貨や写真立て、思い出の品などを飾るスペースにしてみる」という工夫です。これを実践することで、部屋の見た目に一種のメリハリが生まれますし、必要に応じてそこを一時的な保管場所としても活用できるんです。
シカゴで活躍されている日本人インテリアデザイナーさんによると、収納には「見せる:隠す=20:80」という“黄金比”があるそうです。実際、全部を隠してしまうと、部屋全体が無機質な印象になってしまいがちなので、アクセントをほどよく配置してあげると、日常に潤いが生まれます。また、もし急に荷物が増えた際にも、その飾りスペースを一時的に使って仮置き場にすることで、床に物を直置きしなくても済むので助かりますよね。
具体的に始めるためのステップ
「やってみたいけれど、うちの収納ってそもそも少ない気がする…」と感じる方もいらっしゃると思います。そんなときにぜひ試してほしいのが、以下の三段階の手順です。
- まずはモノを厳選して減らす
使っていない服、数年見向きもしなかった趣味の道具、いざという時にと取っておいたけれど存在すら忘れていた書類など、一度しっかり見直してみませんか?捨てるのが難しい場合は、人にあげたりリサイクルショップに持ち込んだりするのもよいでしょう。モノを減らすことで、収納にゆとりが生まれやすくなります。 - 必要だけれど出番が少ない物は、預けるという選択肢を考える
たとえばアウトドア用品やシーズンオフの衣類など、一時的に使わないけれど後で使うものは、自宅に置いておくより宅配型収納サービスやレンタル倉庫を活用すると、意外とラクになります。ゴミとして手放すわけではないので、罪悪感も少なく済むのではないでしょうか。 - それでも余裕が足りなければ、収納を少し増やす
物を減らしたり、預けたりしたにもかかわらず、まだ置き場所が足りないと感じる場合は、収納家具を新調するのも視野に入れましょう。必要以上に大きな収納を増やすと、再び物を増やしてしまうリスクがありますので、サイズ選びは慎重に。「これなら七割収納をちゃんと保てるな」とイメージできるものを選ぶと、ムダな買い物になりにくくなります。
この収納法におけるメリットとデメリット
さて、この「七割のゆとり収納」には、どんな利点・難点があるのでしょうか。ここで一度整理しておきたいと思います。
メリット:取り出しやすさと片付けのしやすさ
収納スペースに空きがあると、中に何が入っているのか一目で分かりやすくなりますよね。目的のモノを迷わずに取り出せるうえに、しまうときもサッと押し込むだけ。あれこれかき分ける手間がいらないので、片付けのハードルもぐっと下がります。「面倒だから、テーブルに出しっぱなしでいいか…」という誘惑が減るのです。
また、見た目の美しさも嬉しい効果として挙げられます。特にクローゼットやハンガーラックは、スペースにゆとりがあるだけで一気に“生活感”が薄まり、まるでブティックのような雰囲気に。毎朝の身支度がちょっと楽しくなるかもしれませんよね。
デメリット:収納できる総量が減ること
当然ながら、ぎゅうぎゅうに詰め込まない分、収納できる物量そのものは減ります。もともとたくさんのモノを持っていた方だと、「あれ、意外と入らなくて困る…」と思うかもしれません。ただし、ここで考え方を変えてみると「もともとそこまで出番がなかったモノまで抱えていたのでは?」という疑問が浮かびますよね。奥底に眠っていて、何年も使わずにいた物を、これを機に手放すことで、本当に大切なモノだけに囲まれた豊かな暮らしに近づくチャンスになるはずです。
まとめ:七割のゆとり収納で、快適な暮らしの扉を開こう
今回は、日常生活をラクにする「七割のゆとり収納」についてお話ししてきました。もう一度、キーポイントを振り返ってみましょう。
- 家にモノをためこまない仕組みを作る
- 空間が残っている状態を“普通”と認識する
- 20%ほどは飾りやすいスペースを確保してインテリアを楽しむ
これらを意識して収納を見直せば、取り出すときも片付けるときもスムーズになり、部屋全体の見栄えもグッと良くなっていくはずです。最初のうちは、「ちょっとモノが少なすぎるかも」「余白がもったいない」と不安になることもあるでしょうが、慣れてくるとその空間が心地よく感じられ、心のゆとりにもつながってくるのではないでしょうか。
また、「気合を入れてやろうと思ったけど、そもそも収納が足りない」と感じたときは、モノを減らすだけではなく、預かりサービスの活用や収納家具の増設といった選択肢もあります。ポイントは、どの方法を選ぶにしても「最終的に七割をキープできるか」を意識すること。つい私も便利なグッズを買いそろえては、「しまう場所がこれで足りるのかな…」と気づくことが多いのですが、そこを改めて考えると、無駄な買い物が減っていくんですよね。
「部屋が片付いていると、気分まで軽やかになる」というのは、多くの方が共感できることではないでしょうか。ぜひこの機会に「七割のゆとり収納」に挑戦し、メリットを存分に味わってみてください。生活がより便利になるだけでなく、心の面でもスッキリし、毎日の暮らしがいっそう楽しくなるきっかけになるかもしれませんよ。私自身も、まだまだ模索中ではありますが、これからも皆さんと一緒に、より快適な住まいづくりを目指していきたいと思っています。
長々とお話ししましたが、ここまで読んでくださったあなたに、少しでも参考になるヒントが届いていれば嬉しいです。何か気になる点や疑問があれば、ぜひ考えを深めてみてくださいね。では、あなたのおうちがさらに快適になることを祈りながら、今回の「七割のゆとり収納」のお話を締めくくらせていただきます。